2級土木・建築施工管理技術検定の2016年度試験で、学科試験のみの受験者数が大幅に伸びた。2月3日までに発表された2級土木と2級建築のいずれも受験者数が前年度から約1400人増えた。国土交通省は、16年度試験で学科試験の受験資格を緩和し、受験可能な時期を大幅に前倒しした。学科試験のみの受験者は、実地試験の受験資格を持たない若年層に多く、早期受験を促す今回の緩和措置の効果が表れたとみられる。
国交省は、2級技術検定の早期受験化を図るため、06年度から学科試験のみの受験を認めており、16年度試験からは、学科試験のみの受験を工業高校などの指定学科で1年、指定学科以外で7年前倒しにするさらなる緩和措置を講じた。これにより、2級技術検定の学科試験は最短17歳から受験できるようになった。
2日に発表された2級土木の学科試験の受験者数は全体で3万3992人で前年度から609人増加。このうち、受験資格の緩和があった学科試験のみの受験者は7050人で、前年度から1391人増えた。
一方、3日に発表する2級建築は、学科試験の受験者数自体が前年度に対し3874人増の3万1466人と大幅に伸び、ここ数年の増加傾向にさらに拍車が掛かった。学科試験のみの受験者数はこのうち7557人で、前年度を1447人上回っている。
学科試験のみを早期に受験する若年層には、その後の2級実地試験や1級学科試験も早期に受験する傾向がある他、合格率も通常の受験者に比べて高い。国交省は、早期の資格取得が若年層の定着に効果があるとみて、今後も若年層をターゲットとする要件緩和を図る。
まず17年度には、2級土木・建築の学科試験を年2回実施し、受験機会を拡大。さらに、2級検定の実地試験の合格者を対象に、1級学科試験の受験要件を緩和することも検討。実現すれば、2級合格の翌年度に1級学科試験のみの受験が可能になる。学科試験のみの合格者に「技士補(仮称)」の資格を与えることも検討している。
提供:建通新聞社