最先端技術の現場導入や3次元データの活用に産学官で臨む「i−Construction推進コンソーシアム」の設立総会が1月30日に開かれた。設立段階では、国土交通省の呼び掛けに応じた企業・地方自治体・学識者など458者が会員として登録。石井啓一国交相は出席者に対し「新技術の発掘、3次元データを活用するためのプラットフォームの整備、i−Conの海外展開などを通じ、魅力ある建設現場を創出する」と訴えた。
コンソーシアムの会長に選任された三菱総合研究所の小宮山宏理事長は「生産性向上で、建設分野にこれまでなかったニーズが生まれる。新しいビジネスにもつながるはずだ」とあいさつ。副会長に就いた日本建設業連合会の宮本洋一副会長は「労働力不足という困難に直面しているからこそ、建設現場を変える絶好の好機。既成概念を打ち破り、飛躍的なイノベーションを実現する」との意気込みを示した。
コンソーシアムでは、建設企業と異業種の企業が連携を深めることで、IoT(インターネット・オブ・シングス)やAI(人口知能)などの革新的な技術開発を狙う。技術開発に対する助成制度やNETISを活用し、新技術の現場導入を加速させる。4〜5月にピッチイベント(企業間お見合い)を開催し、6月以降に現場に試行導入する。
建設生産プロセスで集まる3次元データをオープンデータ化し、施工管理の高度化や現場のIoT(インターネット・オブ・シングス)化、資材・機材のサプライチェーンマネジメントの導入につなげる。まちづくりや災害対応など、建設分野以外への活用も視野に入れる。コンソーシアムの会員らに3次元データのニーズ調査を行い、今夏にも3次元データの利活用方針を固める。
i−Conの海外展開を視野に、3次元データ活用に関する基準類の国際標準化も狙う。i−Conで構築したマネジメントシステム、発注方式、検査方式などをパッケージ化することも検討する。
設立総会では、「技術開発・導入」「3次元データ流通・利活用」「海外標準」の三つのワーキンググループを設置することを承認。今後、WGを中心に活動を展開する。
提供:建通新聞社