建設経済研究所などのまとめによると、2017年度の建設投資(名目値)は前年度比0・7%減の51兆8100億円となる見通し。16年度補正予算による政府建設投資などを踏まえ、昨年10月時点の推計から6100億円の上方修正となった。政府建設投資は0・8%減の21兆7700億円。住宅着工戸数は前年度比2・3%の減とした。持ち家と分譲戸建てが安定的に推移することから、94万7000戸と高い水準を維持するとみている。
政府建設投資は10月推計から4700億円の上方修正とした。17年度当初予算案を踏まえ、一般会計にかかわる投資額を横ばいとしている。地方単独事業費については、総務省がまとめた17年度地方財政対策を踏まえて3・6%の増加を予測。16年度の第2次補正予算、第3次補正予算案に関わる政府建設投資は、17年度に一部出来高として実現すると想定した。
一方、民間建設投資のうち、住宅投資は0・7%減の15兆0700億円、住宅着工戸数は2・3%減の94万7000戸と推計。住宅投資額は10月推計より2500億円上回っている。住宅別の戸数を見ると、持ち家は1・3%増の29万5000戸、分譲住宅は0・1%減の24万6000戸とみている。分譲は戸建てが増加、マンションが減少すると予測している。また、貸家については、相続税対策による着工が減少するとみて、6・1%減の40万戸とした。
民間非住宅建設投資は、0・7%減の14兆9700億円となる見通し。内訳は建築投資が9兆6600億円(1・3%減)、土木投資が5兆3100億円(0・6%増)。10月推計からは1100億円の下方修正となった。
このうち建築は、事務所と店舗がほぼ横ばいに推移するとみている。工場は、老朽化設備の更新や生産合理化を背景とした潜在需要があるものの、今後も先行き不透明感が拭えず、為替や海外景気などの動向に注視すべきとした。前年度比では6・7%の増加。1・5%減とした倉庫は、開発エリアによる空き室率の格差が広がる傾向が見受けられるとしている。
提供:建通新聞社