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2017/01/24

七隈線道路陥没 複合的要因で発生か

 土木研究所は1月21日、福岡市営地下鉄七隈線延伸工事で発生した道路陥没事故の原因を究明するために設置された有識者委員会の2回目の会合を開いた。会合では、事故発生のメカニズムと要因について議論。委員長を務める首都大学東京の西村和夫副学長は終了後に会見し「(事故が)複数の要因が重なり合って発生したのではないか」と述べ、事故の背景に複合的な要因があるとの認識を示した。
 有識者委員会は、11月に発生した事故を受け、事故の原因究明と再発防止策を検討するために設置されたもので、今回の会合は2回目。
 事故発生のメカニズムについては、トンネル天端部の難透水性風化岩が、さらに上部にある未固結帯水砂層からの水圧・土圧に耐えきれず、トンネルに緩みや亀裂、地下水の噴出を生じさせたことで地表面が陥没するといった、複数の一連の現象が考えられている。事故発生の要因についても、地質・地下水と設計・施工に関する10の要因が示されている。
 21日の会合では、これらのメカニズムや要因について、追加の地質調査の結果などを踏まえ、引き続き検討することを確認。3月に開く次回会合で、事故の発生要因と再発防止策に関する提言をまとめる。西村委員長は再発防止策について「都市部でNATM工法を採用する類似工事などを念頭に置いている」などと話している。

提供:建通新聞社