国土交通省は、公園内の樹木の倒伏や落枝による重大事故を防ぐため「都市公園の樹木の点検・診断に関する指針」を策定する。樹木の維持管理段階で行う点検・診断の頻度や方法を定めるとともに、点検結果に応じた、支障となる枝の除去や樹勢回復、伐採などの対策の方針も示す。
1月20日、指針案に関するパブリックコメントを開始した。高度成長期に整備された都市公園では、老齢化・大径木化が進行した樹木が増加しており、適切な点検・診断を公園管理者に促すことで、事故の発生リスクを軽減する。
指針案では、地方自治体などの公園管理者が点検・診断を実施することを原則としつつ、点検・診断を実際に担うためには樹木に関する技能・知見が必要だとして、専門的な技術者を活用することが望ましいと記載。その上で、公園管理者が点検・診断の技術的要件を仕様書にまとめ、受託者に示す必要性も指摘した。
点検時期については、枝折れの危険が高まる台風・降雪前の時期が望ましいと明記。診断で、ガンマ線透過量、弾性速度、貫入抵抗値などの測定に使用する機器は、測定樹木の診断内容や測定条件に適したものを選定することを求めた。
点検・診断の結果、対策を講じる必要がある樹木については、立入禁止などの応急的対策と、樹勢回復・伐採などの本格的対策のいずれかを措置すると明記。安全を確保するために過度な「強剪定」となったり、植栽基盤の縮小など、樹木の健全度を損なわないことに留意することも求めている。
提供:建通新聞社