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2017/01/19

新技術基本計画 公共調達で技術開発促進

 国土交通省は1月18日、2017〜21年度を計画期間とする同省技術基本計画案をまとめ、パブリックコメントを開始した。計画案では、企業の技術力を評価する公共調達を採用することで、企業の技術研究開発を促進すると記載。総合評価方式では、新技術の価格競争力が低いことに配慮し、優れた技術を採用しやすい評価項目を検討するなどとした。工期短縮や労働力不足などに対応した技術を積極的に採用する方針も示した。
 技術基本計画は、国交省が5年間で取り組む技術政策などを盛り込むもの。新たな計画案は「安全・安心の確保」「持続可能な成長と地域の自律的な発展」「技術基盤情報の整備」を柱とするとともに、急速に発展するIoT(インターネット・オブ・シングス)、AI、ビッグデータ、ロボットなどを積極的に活用する考えも示された。
 計画案では、産学官が適切な役割分担で、事業・施策と技術開発を一体的に進めることが重要だとして、この一体化を実現する手段の一つに公共調達を挙げている。具体的には▽企画競争▽性能発注方式▽技術開発工事一体型契約方式▽技術提案交渉方式▽長期保証型契約方式―など、技術の差別化が企業の価値を生む調達方式を活用し、技術研究開発を促進すると記述した。
 また、革新的な技術が初期段階で直面する脆弱(ぜいじゃく)な価格競争力を補うため、総合評価で優れた技術提案を促す評価項目を設定するなど、新技術を採用しやすい新たな仕組みを検討すると明記した。
 一方、新技術情報提供システム(NETIS)については、評価期間を短縮したり、現場試行を伴わない新たな技術評価を導入するなど、再構築を図る。公共工事以外の分野やベンチャー企業からIoT、AI、ビッグデータ、ロボットを活用した新技術のNETIS登録が増えることに備え、技術を評価する国交省側の体制も検討するとした。
 基本計画はパブリックコメントを経て3月中に最終決定する。

提供:建通新聞社