日本橋梁建設協会(橋建協)の石井孝会長=写真=は1月12日に開いた新年交礼会で、「鋼橋の技術分野でICTを積極的に活用し、(設計から工場製作、架設、保全に至る)全てのプロセスを通じたi−Bridge化≠実現し、生産性と安全性の向上に努めていく」との考えを示した。来賓としてあいさつした国土交通省の森昌文技監も「i−Bridgeを推進することで生産性が一層向上することを期待している」と述べた。
石井会長は、「新たな技術分野に果敢に挑戦する」と述べ、具体的にはすでに一部で取り組んでいた鋼橋工事のICT化を一層推進する方針を示した。鋼橋の工場製作の段階で「既に高度なマシンコントロール化、自動化が進んでいる」現状を説明し、施工段階でもICT化の適用範囲を広げ、生産性向上を図っていく考えを明らかにした。
国交省の森技監は、ロボット化やIoT(インターネット・オブ・シングス)といった分野への積極的な取り組みの必要性を指摘。「橋梁業界がi−Constructionの先頭を切って走ってほしい」と述べ、ICTを積極的に活用した生産性革命が次のフェーズに進むことに大きな期待感を示した。
石井会長は、技術の伝承と担い手の確保・育成にも注力する姿勢を強調。高度成長期に長大橋の施工に携わった世代が現役を退きつつある現状を憂い、「世界に冠たる日本の橋梁技術を継承する、斜張橋や吊り橋など夢を描けるプロジェクトの採用促進を訴えていく」と話した。
また、適切な工期を確保した上で「架設現場での週休2日制の標準化に取り組むなど、働き方改革も積極的に進める」考えを示した。
提供:建通新聞社