国土交通省は、生産性向上に取り組む中小・中堅建設企業を支援する「建設産業生産性向上支援事業」を2017年度に創設する。ICT施工や多能工の育成、技能労働者の常用雇用などに取り組む建設企業からの相談を無料で受け付けることに加え、モデル性の高い事業に対して事業費を支援する「ステップアップ支援」も行う。17年度当初予算案に事業費5600万円を計上した。
16年度まで実施していた「建設産業活性化支援事業」の名称を改め、中小・中堅建設企業の生産性向上に向けた取り組みを重点的に支援する。
具体的には、建設産業活性化支援事業と同様、中小企業診断士、技術士、労働安全コンサルタントらの専門家による窓口を設け、生産性向上に取り組む中小・中堅建設企業の相談を無料で受け付ける(初回のみ)。モデル性の高い事業に取り組む企業には、企業グループの結成を促し、ステップアップ支援の対象として事業費の一部を支援する。支援費用は上限100万円程度となる見通しだ。
支援の対象事業は▽ICT導入による現場管理の効率化▽メンテナンス分野への進出による受注の平準化▽資材・人材の効率的活用▽多能工の育成▽技能労働者の常用雇用▽月給制の導入▽有給取得率の向上―など。生産性向上に加え、従業員の働き方改革への対応でも支援を受けられる。
国交省は、17年度当初予算の成立後、4月から相談支援の受け付けを開始する予定でいる。
提供:建通新聞社