国土交通省は、1月16日に開く「東日本復興CM方式の検証と今後の活用に向けた研究会」で、災害発生後に早期完成が求められる大規模工事や、技術的に難易度が高い工事などに復興CM方式の適用が可能との考えを示す。平常時の公共事業への適用に向けては、CMR(コンストラクション・マネジャー)の建設業法上の位置付けなどの課題を整理するなど、さらに検討を深める。
復興CM方式は、東日本大震災で被災した市町村の技術職員不足を補うために導入。被災した12市町と委託契約を締結したUR都市機構の全体調整の下、URと請負契約を結んだCMRが専門工事・設計・測量・調査の各企業を選定した。
研究会は、大規模災害が発生した際に市町村が復興CM方式を活用できるよう、同方式を評価・検証するために昨年9月発足。国交省はこれまでの議論の成果を踏まえ、URが復興CM方式に合わせて取り入れた▽マネジメントの活用▽設計施工の一体実施▽コストプラスフィー契約▽オープンブック方式▽リスク管理費▽専門業者選定基準―といった『活用ツール』が早期復興やマンパワーの補完に貢献したと評価。
16日の会合では、これらの活用ツールの導入を前提に他の災害復旧事業に復興CM方式を適用できるとの方針を示す。その上で、復興CM方式の適用が想定される事業として、災害発生後に▽早期完成が求められる大規模工事▽複数箇所を一体で復旧する工事▽技術的な難易度が高い工事―などを挙げる見込みだ。
一方、平常時の公共工事への適用については、施工を伴わないCMRとの契約が現行の建設業法に明確に規定されておらず、さらに検討を深める必要があるとの姿勢を示す。国交省は、6月中にまとまる建設産業政策会議の提言を受け、建設業法改正も見据えており、この中で建設業法上のCM方式の位置付けも整理する考えだ。
提供:建通新聞社