国土交通省と総務省が全ての地方自治体を対象に行った歩切りのフォローアップ調査で、設計書金額の端数を切り下げる「端数処理」などを行っている自治体が190団体(2016年12月16日時点)あったことが分かった。16年2月の前回調査時点から、62団体が端数処理などを取り止めたことになる。
国交省と総務省は、慣例や財政健全化を理由に設計書金額を控除する歩切りが予定価格の適正な設定を求める品確法に違反する行為だとして、15年1月以降、再三にわたって廃止を要請。この結果、16年4月までに全ての自治体が歩切りの廃止か、廃止する方針を決めている。
一方、設計書金額の端数を切り下げる「端数処理」、無作為の係数を乗じて設計書金額を切り下げる「ランダム係数」については、予定価格の漏えいなどを防止する目的があることから、減額が極めて少額にとどまるケースに限り「やむを得ない」との姿勢を示している。
今回の調査では、この端数処理を行っている自治体が前回調査の252団体から190団体へと減少した。都道府県別の調査結果を見ると、端数処理を行っている自治体が最も多かったのは、長崎県の15団体で、全自治体(都道府県含む)の68・2%が端数処理を行っていることになる。
端数処理を行う自治体がこの他で多かったのは、兵庫県の14団体(33・3%)、徳島県の12団体(48%)、福岡県の11団体(18%)、福井県の9団体(50%)、福島県の9団体(15%)など。反対に、端数処理等を行う自治体がゼロの都道府県は▽栃木県▽群馬県▽富山県▽石川県▽奈良県▽香川県▽愛媛県▽佐賀県▽大分県▽宮崎県―の10団体あった。
提供:建通新聞社