総務省は、2017年度の地方債計画を策定した。新たに「公共施設等適正管理推進事業費(仮称)」として3500億円を計上。公共施設などの集約化・複合化や転用・除却のために必要な経費として計上している現行の「公共施設等最適化事業費」(仮称)を拡充する。地方財政措置の対象として「長寿命化事業」、コンパクトシティの形成に向けて新設する「立地適正化事業」、さらに熊本地震の被害状況を踏まえて新設する「市町村役場機能緊急保全事業」の3事業を追加する。
地方債の充当率は、集約化・複合化事業が充当率90%、交付税措置率50%。長寿命化、転用、立地適正化の3事業の充当率は90%、交付税措置を30%とする。
1981年の新耐震基準導入前に建設された庁舎の建て替えを促す「市町村役場機能緊急保全事業」の充当率は90%、交付税措置率は30%とし、これまで75%としていた「除却」の充当率も90%に引き上げる。
これらの財政措置は17〜21年度までの5年間にわたって実施する。
緊急防災・減災事業も拡充する。地方債の充当率を100%とし、元利償還金の70%を基準財政需要額に算入する。
具体的には、地方公共団体が引き続き防災・減災対策に取り組んでいけるよう、17年度から東日本大震災の復興・創生期間とされている20年度まで継続。17年度は5000億円を充当し、地域防災計画で避難所とされている公共施設や災害対策の拠点施設の耐震化、津波に備えた災害拠点施設の移転、指定避難所の生活環境改善(空調、Wi−Fiなどの整備)を推進する。
提供:建通新聞社