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2016/12/26

国交省 公共事業費は横ばい 17年度当初予算案

国土交通省は12月22日、一般会計総額を国費で5兆7946億円(前年度比0・3%増)とする2017年度当初予算案を発表した。公共事業関係費は0・03%増の5兆1807億円(0・03%増)と横ばい。増額分は20億円とわずかではあるが、13年度から5年連続で前年度額を上回った。生産性向上を導くストック効果の高い公共投資を重視するとともに、防災意識社会への転換を図りつつ、防災・減災対策を推進する。さらに、ゼロ国債として1413億円を設定。2カ年国債を含め、約3000億円規模の国庫債務負担行為を活用し、施工時期の平準化を図る。
 当初予算に計上する公共事業関係費は第2次安倍内閣発足後、5年連続で増加した。20億円の増加は昨年度の増加分とほぼ同額だが「必要な公共事業予算を安定的・持続的に確保する」としている同省の姿勢が予算編成上定着しつつある。
 水防災意識社会の再構築を掲げ、水害対策や土砂・火山災害対策には4735億円を計上。洪水氾濫を未然に防ぐ堤防の嵩上げや浸透対策、越水から決壊までの時間を引き延ばす「危機管理型ハード対策」などを全国で展開する。既設ダムの堤体嵩上げや放流設備の増設を進めるため、17年夏までに「ダム再生ビジョン」を策定する。
 インフラ老朽化に対応した戦略的な維持管理・更新には4249億円を計上した。個別施設計画を核として、点検・診断、修繕・更新、情報の記録といったメンテナンスサイクルを構築するとともに、11月に発足したインフラメンテナンス国民会議を中心にメンテナンス産業を育成する。
 地方自治体の老朽化対策を支援する道路の大規模修繕・更新補助制度の対象には、インフラの集約化と撤去を追加する。
 ストック効果を重視し、生産性を向上する戦略的な社会資本整備も推進する。大都市圏環状道路などの整備やピンポイント渋滞対策など、効率的な物流ネットワークの強化に2529億円を計上。国際コンテナ戦略港湾の機能強化には841億円を盛り込んだ。
 自治体の社会資本整備を総合的に支援する「社会資本整備総合交付金」には8940億円、自治体の防災・減災対策と老朽化対策を集中的に支援する「防災・安全交付金」には1兆1057億円をそれぞれ計上した。
 この他、東日本大震災復興特別会計には、国交省計上分の公共事業関係費として5249億円を盛り込んでいる。

提供:建通新聞社