国土交通省は、直轄工事で行っている社会保険未加入の元請け・1次下請け企業の排除措置を2017年4月から2次下請け以下に拡大する。直轄工事を受注した元請けに対し、未加入の2次以下の下請けに対する加入指導を求め、猶予期間内に加入が確認されなかった場合に、制裁金・指名停止・工事成績の減点といったペナルティーを与える。4月以降、一定期間は元請けに加入指導を求めるにとどめ、排除措置が周知された段階でペナルティーを実行に移す。
直轄工事では、14年8月から企業単位で社会保険未加入の元請け・1次下請けに対する排除措置を講じている。元請けが提出する施工体制台帳で企業単位の加入状況をチェック。未加入の1次下請けとの契約が判明すると、元請けにペナルティーを与える。2次以下の下請けは未加入でも排除していないが、発注部局から建設業許可部局に通報し、建設業許可部局が加入を指導している。
社会保険未加入対策が目標期限の17年4月を迎えるのを契機に、この排除措置の対象を2次以下の下請けに拡大。4月以降元請けに、未加入の1次下請けや2次以下の下請けへの現場での加入指導を求める。2次以下の下請けに対する指導は、元請けが直接行うか、1次下請けを通じて行う。加入指導に従わない2次以下の下請けがいた場合の元請けに対する制裁金・指名停止・工事成績減点の罰則を設ける。
現在の排除措置では、1次下請けが未加入であったことが判明すると即座にペナルティーを課すが、2次以下の下請けには、指導後の加入手続き期間を考慮し、罰則適用までに一定の猶予期間を設ける。猶予期間中に確認書類が提出されないケースで、元請けにペナルティーを課すことになる。
国交省は、17年2月までに排除措置の詳細を固める。同年4月から元請けに2次以下の下請けに対する加入指導を求めるが、排除措置が周知されるまでの一定期間は元請けに対するペナルティーは適用しない。
提供:建通新聞社