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2016/12/20

直轄工事 発注標準見直しへ議論開始

 国土交通省は12月19日、「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」を開き、直轄工事の発注標準見直しに向け、中長期的な企業評価に関する議論をスタートした。維持修繕工事の増加で事業特性が変化していることに対応し、現行21工種ある工種区分の見直しとともに、登録企業に対する発注量・技術力・上位等級のインセンティブの観点などから、等級区分の見直しも検討する。発注標準と連動している地域要件の見直しも視野に入れている。
 直轄工事では、経営事項審査の評定点に工事受注や総合評価点を加算した総合点数で格付けを行った上で、等級別に発注の標準とする工事金額を定めている。
 19日の会合で国交省は、この発注標準を2019・20年度の競争参加資格審査以降に段階的に見直す方針を提示。工種区分については、建設業法の業種区分や発注工事の特性を踏まえ、21工種を設けているが、近年は維持修繕が増加するなど事業特性の変化も見られるため。工種の区分を見直す必要性を示した。
 合わせて、21工種のうち、発注量の多い7工種に設けているA〜Dの等級区分についても、各区分ごとの発注量、登録企業の技術力、上位等級への昇級のインセンティブなどの視点で、見直しを検討する。さらに、地域の企業の受注機会を確保する観点で、地整ごとに設けている地域要件を見直す考えも示した。
 会合ではまた、次期競争参加資格審査(17・18年度)の残留措置についても議論。残留措置は、上位等級に昇級した有資格者が従前等級にとどまることができるもの。出席した全国建設業協会から「次期の資格審査では残留措置を残してほしい」といった意見が出た。
 会合ではこの他、直轄工事への事業監理業務(事業促進PPP、CM)の適用に向け、契約関係図書を整備する方針を明らかにした。土木学会がまとめた監理業務標準委託契約約款と共通仕様書を参考に、直轄工事の契約約款や共通仕様書を整える。東北地方整備局における事業促進PPPなどの実態を踏まえ、積算基準も検討する。
 週休2日の確保に向け、直轄工事に携わる元請け・下請けに対するアンケート調査(有効回答1477件)の結果も報告。技術者・技能者が完全週休2日か4週8休が望ましいと考えているにもかかわらず、実際に完全週休2日か4週8休を取得している技術者・技能者は回答者の約15%にとどまることが明らかになった。

提供:建通新聞社