自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」(品確議連)の会長に就いた根本匠元復興相が建設専門紙の共同インタビューに応じ「デフレ脱却という政府全体の方針を踏まえ、建設業の処遇改善を考えていくべきだ」との見解を語った。根本氏は、低入札価格調査基準価格について「改正品確法の基本理念である中長期的な担い手の確保・育成の視点を加えるべき」との持論を展開した上で「地方自治体が最低でも国の基準並みとなるよう働き掛けなければならない」と強調した。
2009年、ダンピングによる赤字受注が増え、地域建設業が疲弊する現状を打開するため、最低制限価格の下限を9割に引き上げるよう品確議連で提案した。「建設業がしっかりと雇用を確保し、適正な賃金を支払い、地域経済の発展にもつながる」という考えからの提案だったという。
2014年に品確法が改正され『中長期的な担い手の確保・育成』が基本理念に追加された。会長として「この基本理念に基づき、将来の建設業をきちんと議論したい」と抱負を語る。「個人的な見解」と前置きしつつ、低入札価格調査基準価格について「建設業が地域に根ざした経営をしていけるよう、発想を新たにするべきではないか」とも話す。
建設業の将来的な担い手不足に対し「戦略的人材育成が必要だ」との認識も示した。i−Constructionによる生産性向上の可能性は認めつつ「建設業は技術革新で代替できない付加価値を生み出す産業だ」と発言。技術革新では代替できない優秀な技術者・技能者を養成するためにも「建設キャリアアップシステム、公共工事設計労務単価の引き上げ、働き方改革などによる、処遇改善に取り組むべきだ」と訴えた。
提供:建通新聞社