農林水産省は、「農業農村整備に関する技術開発計画」の骨子案をまとめた。土地改良長期計画に掲げた政策目標の達成を目指し、今後の技術開発の方向性を示したもの。重点化するテーマとして、農業水利施設などの劣化予測技術、農道・農業集落排水施設の長寿命化技術などの開発を盛っている。計画期間は2017年度から21年度まで。
技術開発計画は97年の策定以降、3回(05、09、13年)にわたって改定している。今回の改定は、土地改良長期計画が1年前倒しで改定(今年8月24日に閣議決定)されたことを受けて検討を進めてきた。
土地改良長期計画の政策目標のうち「老朽化や災害リスクに対応した農業水利施設の戦略的な保全管理と機能強化」への対応では、管水路や用排水機場ポンプ設備など農業水利施設の劣化予測技術を開発。この他、強震動に対する基幹的農業水利施設の耐震性評価・対策技術、パイプラインの耐震対策技術の開発などを重点的に行うとしている。
農道・農業集落排水施設の長寿命化は、政策目標「快適で豊かな資源循環型社会の構築」を実現するための開発技術の一つ。排水処理過程で発生した硫化水素ガスによる施設の腐食を防ぐのが狙い。また、農業水利施設や園芸施設での太陽光・熱エネルギー利活用技術の開発なども盛った。
この他の政策目標の実現に向けては、▽ICTを活用した水利システム技術の開発(担い手の体質強化)▽簡易で長寿命な暗渠排水整備技術の開発(産地収益力の向上)―などを挙げている。
提供:建通新聞社