国土交通省は12月5日、「登録基幹技能者特別講習」の建設業団体向け説明会を開いた。特別講習は、建設業振興基金を実施機関とし、2017年1月下旬〜3月下旬に全国で開く予定で、登録基幹技能者のレベルアップを促すため、若年技能者への技能伝承方法などを学んでもらう。eラーニングの手法も取り入れ、インターネット上での受講環境も整える。講習を受講した登録基幹技能者は「建設キャリアアップシステム」に事前登録し、システム稼働後に他の技能者と異なるゴールドカードを配布する。
特別講習は、2016年度第2次補正予算で経費を措置しており、年内に受講者の募集を受け付け、16年度中に全日程を終える予定。1月下旬から3月下旬に全国10カ所で講習を開く他、約5万人に上る全ての登録基幹技能者に対応できるよう、パソコン・スマートフォンを使用したインターネットによる講習も同年2〜3月に行う。
インターネット、座学の講習ともに講習内容は同じで、建設産業に関係する法令・制度などの最新動向、企業経営、若手技能者への技能伝承手法、などで構成する。
特別講習を受講した登録基幹技能者には、来秋に本格稼働する建設キャリアアップシステムに事前登録できる。技能者本人が負担する登録料も無料にする。特別講習を受講する際にシステム登録の必要書類を受け付け、システム稼働後にICカードを配布する。配布するICカードは、他の技能者と異なるゴールドカードとする予定だ。
技能者の資格や就業履歴を業界統一ルールで蓄積する建設キャリアアップシステムは、17年度の本格稼働を目指して官民コンソーシアムで詳細を検討している。国交省は、システムにより、技能者の技能・職歴に応じた賃金体系を構築したい考え。将来的には、地域・職種単位で算出する公共工事設計労務単価を技能・資格ごとに設定することも視野に入れている。
提供:建通新聞社