厚生労働省は、山岳トンネル工事の切羽付近での作業環境改善に向け、有識者検討会の初会合を11月30日に開いた。粉じん濃度の測定方法や、呼吸用保護具の適切な管理などを議論する。実際の現場での測定などを含め、検討成果は2018年3月をめどに報告書としてまとめる。
トンネル建設工事における新しい工法の普及や機械の大型化などによって、粉じん発生の在りようは多様化している。13年策定の「第8次粉じん障害防止総合対策」でも、粉じん発生への的確な対策実施が重点事項として位置付けられていたが、同省は、最新の技術的知見に基づいた粉じん濃度の測定・評価方法の再検討が必要と判断。有識者検討会(トンネル建設工事の切羽付近における作業環境などの改善のための技術的事項に関する検討会)を設置することにした。
検討会では、▽切羽付近の粉じん濃度の測定方法、測定結果の評価方法▽作業状況、地山の状況、切羽付近の粉じん濃度など記録すべき事項▽切羽付近の作業環境の改善方法▽呼吸用保護具(フィルター)の適切な管理▽労働者教育―などを検討していく。
また、この検討に資するため、17年度の4月から7月にかけて5現場程度で切羽付近の粉じん濃度測定を行うことにしている。
提供:建通新聞社