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中央ニュース

2016/11/29

インフラメンテ国民会議が設立

 社会全体でインフラの老朽化対策に取り組む流れをつくろうと、国土交通省が提唱した「インフラメンテナンス国民会議」の設立総会が11月28日に開かれた。国交省の呼び掛けに応じた企業・地方自治体・関係団体など199者が設立時の会員として参加。国交省の森昌文技監が「国民生活を支えるインフラの老朽化が進めば、社会そのものの存続も危ぶまれる」と訴えた上で「地域と施設管理者がメンテナンスをともに考える気運を高めるため、国民会議が活動を展開することを期待したい」と話した。

インフラメンテ国民会議全景

 国民会議には▽建設業32社▽建設コンサルタント・測量25社▽ICT13社▽点検・センサー・設備13社▽材料7社―など各分野の企業95社と行政73団体、関係団体27団体などを合わせ199者が設立時会員として登録した。設立総会では、会長に経営共創基盤の冨山和彦代表取締役CEO、副会長に政策研究大学院大学の家田仁教授とする人事を決定した。
 設立総会後に開かれた記念大会で冨山会長は「年間の稼働率が上下する建設分野において、メンテナンスは安定的な稼働が見込むことできる領域。メンテナンスを公共事業の主軸とすることは雇用の安定化や地方創生にも直結する」とその重要性を強調した。
 社会資本整備審議会の社会資本メンテナンス小委員会で委員長を務めた家田副会長は「インフラに関わる事故が起きると、メンテナンスに対する社会的な関心は一時的に高まるが、その関心は風化しがちだ」と発言。「国民の関心を常にこの分野に振り向けるため、国民会議が大きな役割を担うことになる」と続けた。
 会議は、インフラメンテナンスの理念を社会全体に普及する広報活動に加え、オープンイノベーションによる異業種連携や技術融合などの役割を担う。施設管理者である地方自治体のニーズや技術の課題を明確にした上で、参加する多業種の企業にマッチングの場を設け、革新的な技術開発を促す。施設管理者である自治体が技術開発の実証フィールドを提供することも視野に入れる。
 包括的民間委託などの制度を運用する自治体同士が情報交換を行い、民間企業の技術・ノウハウも交えた解決策も検討する。メンテナンスに関する技術開発などに対する「インフラメンテナンス大賞」を12月28日まで公募しており、2017年3月に国交省など6省の大臣賞を選ぶ。

提供:建通新聞社