トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2016/11/21

建設業の生産性向上事例 6類型でモデル化 

 国土交通省は11月18日、企業経営の視点で建設業の生産性向上を考える「地域建設産業生産性向上ベストプラクティス等研究会」を開いた。会合では、建設業がこれまで取り組んだ生産性向上のベストプラクティス68件を報告。「受注平準化」「工程管理の徹底」「原価管理の徹底」など6類型でモデル化も図った。これらの事例は、来年2月にまとめる報告書に、製造業を参考にした建設業版の「生産管理モデル」とともに盛り込み、中小・中堅建設業に広く普及させる。
 研究会では、単品・現場生産であるために生産性向上が進まないとの指摘を受ける建設業において、経営・現場の両面で生産性の向上に取り組むベストプラクティスを収集し、モデル化を図る。製造業の生産管理モデルを建設業版に転換することも検討する。
 18日の会合に示された生産性向上のベストプラクティスは▽受注平準化▽省力化▽工程管理の徹底▽多能工化▽原価管理の徹底▽社内業務効率化―などの事例68件。国交省は各事例の特長・効果などを分析し「生産性向上ベストプラクティスモデル案」も示した。
 このうち受注の平準化では、繁閑の差が大きい公共工事から、戸建て住宅の外構工事などの新分野に参入し、閑散期の稼働率を高めた事例を紹介。地域の工務店が営業情報を共有し、大型物件を共同受注した事例も示した。
 原価管理を徹底し、計画的に利益を確保する仕組みを構築する必要性も指摘。工事請負金額と目標粗利から目標原価を設定した実行予算書を作成するとともに、日々の出来高と原価を入力して実行予算に対する損益を確認できる原価管理システムを導入すべきとしている。
 18日の会合ではこの他、製造業の生産管理手法を参考に▽需要予測・経営計画▽生産計画▽生産実施▽生産統制―の4段階で建設業が取り組むべき建設業版の生産管理モデルについても議論した。
提供/建通新聞社