国土交通省の調べで、地方自治体における前払金の制限や中間前払金の導入状況が明らかになった。これによると、都道府県単位で管内の全ての市区町村が前払金の支払いに限度額を設けていない都道府県は17%にとどまった。中間前払金を全市区町村が導入している都道府県は27・7%だった。
前払金の割合は工事代金の4割以内で各発注者が設定することができる。財政状況や手持ちの資金状況を理由に、割合を4割以下に抑えたり、支払額に限度額を設けている発注者がいる。
同省の調べによると、管内の全市区町村が前払金に制限を設けていない都道府県は17%の8都道府県。制限を設けている市区町村が20%未満の都道府県は15都道府県、40%未満は8都道府県、60%未満は8都道府県、60%以上は8都道府県あった。特例として前払金の割合を5割以内に引き上げている被災地では、制限を設けていない市町村が多いという。
中間前払金は契約当初の前払金に加え、工事の進捗が50%以上進んだ際に工事代金の20%の支払いを受けられる。中間前払金を管内の全市区町村が導入している都道府県は13都道府県(27・7%)あった。80%以上100%未満の市区町村が中間前払金を導入している都道府県も8都道府県あり、21都道府県で80%以上の市区町村が中間前払金を導入していることになる。
品確法の運用指針では、元請け企業が円滑に資金を調達できるよう、中間前払金を導入することを発注者に求めており、運用指針の本格運用後に導入する自治体が増えた。ある県では、管内の市町村に歩切りの廃止を指導すると同時に、中間前払金の導入を働き掛けたという。
国土交通省は、11月25日まで開催している「ブロック監理課長等会議」で、参加する都道府県に前払金と中間前払金の活用状況について意見を聞いている。具体的には、前払金に制限を設ける理由や、中間前払金を導入する際の課題などを尋ねている。
提供/建通新聞社