国土交通省は、受注者の債務不履行に伴って生じる発注者の損失を補填する履行保証制度で、債務不履行になった受注者の破産管財人が契約を解除しても、発注者が違約金を請求できるようにした。破産管財人が契約を解除すると違約金が発生せず、発注者は保証会社などに保証金を請求できなかった。11月9日に直轄の工事請負契約書を改正するとともに、他の中央省庁や地方自治体にも改正内容を周知した。
会計法では、公共工事の受注者に契約金額の10%以上の契約保証金を納付するか、保証会社・金融機関・損害保険会社と履行保証契約を結ぶことを義務付けている。通常、受注者が債務不履行に陥って工事がストップすると、発注者が契約を解除すると同時に違約金が発生し、受注者が契約した保証会社などに保証金を請求できる。
ただ、債務不履行となった受注者の破産管財人が破産法に基づいて契約を解除すると違約金は発生せず、保証会社などへの保証金の請求もできなくなる。
このため、国交省は直轄の工事請負契約書と委託業務関連の契約書を9日付で改正。破産管財人が契約を解除しても、違約金が発生し、発注者が保証会社などに保証金を請求できるようにした。
地方自治体など他の発注者にも今回の改正について通知し、同様の措置を講じるよう促す。今後、公共工事標準請負契約約款を改正することも検討する。保証会社などにも履行保証関連の約款改正を求めている。
また、同日付で建設業団体にも今回の改正内容を周知する通知を発出。公共工事の契約が、今回の改正に対応したものであるかを確認するよう求めている。
提供/建通新聞社