国土交通省は、インフラの老朽化対策に関する新技術の活用や地方自治体支援のプラットフォームとなる「インフラメンテナンス国民会議」の設立総会を11月28日に開催する。異業種の企業間連携による技術革新、自治体支援、技術者育成、市民参画などをテーマに、メンテナンス産業の育成と活性化に取り組む。インフラメンテナンスに関する優れた取り組みや技術開発を表彰する「インフラメンテナンス大賞」も創設する。
国民会議により、高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化対策を限られた予算で進めるため、効率的・効果的な体制を構築するとともに、社会全体で対策に取り組む環境を整える。
国民会議に参加を希望しているのは、企業・団体・自治体の合計177者(7日時点)。このうち企業では、建設業24社、建設コンサルタント・測量21社のほか、ICT11社、点検・センサー9社、材料4社、保険1社など多業種の参画を見込んでいる。
会議では、施設管理者が求める技術を明確化した上で、これら多業種の企業が持つ技術のマッチングの場を提供する。例えば、異業種の企業が新技術の共同開発者を見つけたり、新技術を売り込む企業に自治体が実証フィールドを提供することなどが想定されるという。
自治体支援も国民会議の役割の一つ。技術力不足に悩む自治体が包括的民間委託などの制度運用上の課題を明確にし、民間企業のノウハウも交えて解決策を探る。
国民にメンテナンスの理念を普及することを目的に、技術開発や優れた取り組みに対する「インフラメンテナンス大賞」も創設する。国交省、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、防衛省の6省がそれぞれが所管する施設分野で大臣賞・特別賞・優秀賞を設ける。11月中に受賞希望者を募り、2017年3月に受賞者を決める。
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建通新聞社