国土交通省は、ダンピング対策を導入していない地方自治体のうち、一定規模以上の自治体を重点団体として導入を働き掛けることにした。2015年3月末時点で低入札価格調査基準価格・最低制限価格制度のいずれも導入していない市区町村は181団体と、全体の1割に上る。未導入の市区町村のうち、人口・発注金額・普通建設事業費が一定基準を超える市区町村を抽出し、重点団体として制度導入を求める方針だ。
基準価格と最低制限価格の双方を導入していない市区町村は181団体(15年3月末時点)で、全自治体の10.5%。また、制度を導入していても価格を事前公表している自治体が、最低制限価格で168団体(11.6%)、基準価格で53団体(8%)ある。
基準価格と最低制限価格は、品確法の運用指針で適切な活用を徹底することが「必ず実施すべき事項」と定められている。国交省は、未導入の自治体が1割を超えていることを重く見て、未導入団体に対する働き掛けを強める考え。
ただ、制度を未導入の181団体のうち、人口1万人に満たない小規模な市町村は7割を超えており、都道府県からも「人員不足で速やかな対応は難しいのではないか」との意見もある。
このため、国交省はまず、人口・発注金額・普通建設事業費を基準に重点団体を抽出した上で、中規模の市町村に先行的に対策を講じる。国交省の試算によると、年間の普通建設事業費15億円・人口1万5,000人を基準に抽出すると、重点団体は16団体。年間の発注金額10億円・人口1万5,000人を基準とすると、重点団体は12団体になるという。
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建通新聞社