国土交通省は、品確法の運用指針で求めている発注関係事務の改善状況を客観的に把握する全国統一指標を固めた。改善が遅れていると受注者からの指摘がある「積算基準の適用状況」「単価の更新頻度」「設計変更ガイドラインの策定・活用状況」「設計変更の実施工事率」「平準化率」の5項目を重点項目と定める。国交省は、2016年度末までに各地域発注者協議会でこの指標の活用について合意し、17年度第1四半期に発注者単位で指標値を使ったフォローアップと結果公表を行うことを求めている。
全国統一指標.pdf 全国統一指標を活用することで、全ての発注者が品確法の運用指針で求める発注関係事務の改善状況を客観的に把握できるようにする。発注量や地域性で他の発注者と改善状況を比較できるようにし、主体的な取り組みを促す狙いがある。
国交省は8月に指標案をまとめ、全国の地域発注者協議会に意見照会を行っていた。協議会を通じて寄せられた283件の意見を踏まえ、全国統一指標としてまとめた。
重点項目には、品確法の運用指針で示されている実施項目のうち「適正な予定価格の設定」「適切な設計変更」「施工時期等の平準化」に有効な5項目を設定した。
最新の積算基準の適用状況については、1年以内に更新された積算基準の適用に加え、小規模施工などに見積もりを活用しているかチェックする。資材・材料の単価の更新頻度(1〜12カ月)にも指標を設ける。
適切な設計変更を後押しするため、請負金額に影響する内容などの条件明示を求めるなど、改正品確法を踏まえた設計変更ガイドラインの策定・活用状況も指標とする。さらに、契約金額500万円以上の全工事のうち、設計変更(精算変更含む)を行った工事の比率を「設計変更の実施工事率」として指標に使う。
施工時期の平準化では「平準化率」の指標を取り入れる。契約金額500万円以上の工事を対象に「年度の平均稼働件数・金額÷4〜6月の平均稼働件数・金額」を算出することで、4〜6月の閑散期の稼働を増加させることを促す。
設計変更の実施工事率と平準化率は、日本建設情報総合センターが工事実績情報システム(CORINS)のデータから数値を算出し、12月中に全発注者に提供する。
提供:
建通新聞社