2015年度に契約した国土交通省の直轄工事の落札率(単純平均)が91.22%となり、前年度と比べて1.21ポイント低下したことが、同省のまとめで分かった。直轄工事の落札率が低下するのは10年度以来5年ぶり。建設コンサルタント業務の落札率も82.64%と1.57ポイント下がった。契約金額の総額は、補正予算の規模縮小などの影響で、20.1%減の1兆6,469億円と2年連続で減少した。
国交省が11月1日に発表した「直轄工事等契約関係資料」で、こうした実態が明らかになった。
直轄工事の落札率は、低入札価格調査基準引き上げなど、たび重なるダンピング対策が講じられた効果で、10年度の89.39%から4年連続で上昇し、14年度に92.43%となっていた。
15年度は、地方整備局が1.40ポイント減の91.19%、地方整備局の港湾空港関係が0.86ポイント減の90.88%、北海道開発局が0.62ポイント減の92.43%、航空局・地方航空局・地方運輸局・国土技術政策総合研究所・気象庁・海上保安庁が2.39ポイント減の88.89%と全ての部局で落札率が低下した。建設コンサルタント業務の落札率も北海道開発局以外の全部局で低下した。
工事契約件数は7.7%減の1万3,170件、契約金額は20.1%減の1兆6,469億円といずれも大幅に減少した。直轄工事の契約金額は13年度に2兆4,847億円となって以降、2年連続で4,000億円を超える減額となっている。建設コンサルタント業務の契約件数は7%減の1万4,918件、契約金額は6.7%減の3,339億円にいずれも減少した。
工事の入札不調(不調後に再発注手続きを行い、15年度中に契約したもの)は433件で発生。そのうち156件は全ての応札額が予定価格を超過したことによるもの。入札不調の発生率は4.6%で、前年度から2.1ポイント低下した。
1者以上の入札辞退が発生した工事は31.9%減の2,293件だった。入札辞退者は延べ5,473者で、前年度を28.7%下回った。
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建通新聞社