国土交通省は、都道府県・政令市の土木部長らと発注行政について意見を交わす「地方ブロック土木部長等会議」を11月1日の北陸ブロックを皮切りに全国8会場で開く。i−Constructionの一環として、直轄工事で進めているICT土工やコンクリート工の生産性向上を地方自治体の発注工事に展開するため、導入に向けた課題などを議論する他、品確法の運用指針を徹底するよう参加する都道府県・政令市に働き掛ける。
地方ブロック土木部長等会議は、公共工事の発注行政に自治体の声を反映するため、春季・秋季の年2回開かれる。
1日から12月初旬にわたって開かれる秋季の会議では、国交省の直轄工事で4月に本格導入したICT土工の自治体発注工事への展開がテーマの一つとなる。直轄工事では、ICT土工の発注件数が16年度末までに約970件(10月時点、入札公告ベース)に上る見通しだが、中小建設業を含めて建設産業全体の生産性向上には、自治体発注工事に導入を拡大させる必要がある。
自治体でも、既に静岡県、新潟県、石川県など、ICT土工を導入しているところもある。土木部長等会議では、こうした先進的な自治体の事例を報告するとともに、導入に当たっての課題を参加者から聞き、対応策を議論する。
品確法の運用指針については、受注者側からの関心が強い▽施工時期の平準化(繰り越し、債務負担行為の活用)▽適切な設計変更(設計変更ガイドラインの運用など)▽ダンピング対策―の徹底に向けて都道府県の意見を聞く。
一方、直轄工事では、落橋防止装置、地盤改良工事、基礎杭工事で施工データの改ざんが相次いで発覚したことを受け、不正行為を抑制する監督・検査の厳格化を検討している。限られた人員で監督・検査を厳格化するため、ICT技術の導入による効率化・合理化も同時に図る方向で検討を進めており、参加する自治体にも検討状況を報告する。
提供:
建通新聞社