建設経済研究所と経済調査会のまとめで、2016年度の建設投資(名目値)が前年度比1・9%増の51兆9400億円、17年度の建設投資が1・4%減の51兆2000億円となる見通しであることが分かった。政府の16年度第2次補正予算が成立したことで、前回の推計から、16年度の投資額を4100億円、17年度を1兆9000億円、それぞれ上方修正した。
16年度の政府建設投資は1・9%増の21兆9500億円、17年度は3%減の21兆3000億円になると見込んでいる。10月11日に16年度第2次補正予算が成立したことで、前回の推計と比べ、16年度に5200億円、17年度に1兆8700億円を上方修正した。
ここ数年、補正予算は年明けに成立することが多く、大半は次年度の投資額として見込まれていた。ただ、16年度第2次補正予算は10月に成立したため、16年度に5200億円が出来高として実現するとみている。
民間住宅投資は、16年度が3・3%増の14兆9100億円、17年度が0・6%減の14兆8200億円と、それぞれ1400億円、200億円の下方修正となる。着工戸数は、16年度が2・2%増の94万1000戸、17年度が1・8%減の92万4000戸。前回の推計からいずれも3000戸を上乗せしているが、建築単価の下落により、投資額は下方修正した。
好調が続いていた貸家の着工戸数は、相続税の節税対策やマイナス金利政策の効果で、16年度が5・9%増の40万6000戸と堅調に推移するものの、17年度は息切れして3・9%減の39万戸になると予測した。
民間非住宅投資は、16年度が0・8%増の15兆0800億円で、300億円を上方修正。17年度は前年度と同額の15兆0800億円で500億円を上方修正した。
用途別に見ると、店舗は、着工床面積や受注額が前年度並みに推移していることから、17年度に「長く続いた停滞に一定の歯止めが掛かる兆候がみられる」と分析。一方、倉庫は、ネット通販の拡大などを背景に引き続き底堅く推移するとしているものの、一部の地域では空室率の上昇もある、と予測している。
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建通新聞社