国土交通省は、電気通信工事の監理技術者要件となる新たな国家資格(施工管理技術検定)を創設する。電気通信では、監理技術者が減少傾向にあるが、元請け完成工事高は増加しており、技術者1人当たりの工事量が増加している。一方で、国家資格がないため、実務経験を積まないと監理技術者の要件を満たすことができず、将来的な監理技術者の不足も懸念される。建設業法に基づく技術検定に7業種目の電気通信を創設し、早期に監理技術者要件を満たすことができるようにする。
土木、建築、電気、管、鋼構造物、舗装、造園の各業種では、技術検定に合格した国家資格の有資格者(施工管理技士)を監理技術者や主任技術者として配置できる。
ただ、国家資格のない電気通信では、主任技術者資格を持った技術者が「元請けとして請負代金額4500万円以上の工事で、2年以上の指導監督的な実務経験」がないと、監理技術者になることができない。技術士も電気通信の監理技術者になることはできるが、電気通信の監理技術者の97・2%が実務経験で資格を得ている。
監理技術者要件が厳しいこともあり、元請け完成工事高の総額が1兆円超えているにも関わらず電気通信の監理技術者数は減少している。
国交省は、技術者数を確保するとともに、工事の品質確保のためにも監理技術者に技術検定などの国家資格を保有することを求めたい考えで、実務経験で要件を満たす割合が高い5業種(電気通信、機械器具設置、さく井、消防施設、清掃施設)で国家資格の創設を検討。まず、市場が拡大している反面、監理技術者数が減少している電気通信で、新たな国家資格を創設する。
今後、有識者会議を設置し、電気通信の技術者に求められる知識・技術などを検討する。会議の提言を踏まえ、建設業法の政令を改正し、監理技術者要件となる国家資格を設ける。監理技術者要件の1級資格とともに、主任技術者要件となる2級資格も創設する。
提供/建通新聞社