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2016/10/07

【地方建設専門紙の会】全建ブロック会議(1) 関東甲信越ブロック

全国建設業協会 全国ブロック会議・地域懇談会
(1)関東甲信越ブロック


■「限界工事量」確保など要望

全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)と傘下の都道府県建設業協会と国土交通省が地域単位で意見を交わす「地域懇談会・ブロック会議」が10月6日の関東甲信越を皮切りにスタートした。2016年度のメインテーマは「経営の安定化」と「担い手の確保・育成」。関東甲信越地方ブロック会では、「限界工事量」の確保、低入札価格調査基準の見直しなどを要望し、国の対応を求めた。

会場全景

 冒頭のあいさつで関東甲信越地方建設業協会長会の渡邉勇雄会長(栃木県建設業協会会長)は、「担い手の確保・育成は最重要課題。技術力の向上や就労者の処遇改善に努め、業界のイメージアップに向けて努力しなければならない」と述べた。会議に提案した7議題については、「いずれも建設業が直面する切実で重要な問題だ。適切な対応を求める」とした。

 提案議題のうち、限界工事量は、地域建設業が人員や機械などを維持するために必要な最低限の工事量。群馬建協は、地域建設業の窮状を明らかにした会員アンケートの結果を示し、「現状のままでは、限界工事量に達しない業者が除雪や災害対応から脱落するなど、地域の安全・安心が守れなくなる」と訴え、工事量の確保を訴えた。

 低入札価格調査基準の見直しは、山梨建協が要望。具体的には、中央公契連モデルの一般管理費算入率について、現行の55%から90%に引き上げることを求めた。さらに、調査基準価格の設定範囲(現行は予定価格の70〜90%)を撤廃すべきとした。

 長野建協は、建築工事に関する改正品確法の運用検証などを求めた。発注者責務として明記されている適正な利潤の確保が、特に建築工事で果たされていない現状を踏まえたもの。このため、発注機関に運用検証・情報収集窓口を設置し、改善につなげることを提案した。「入札時積算数量書活用方式」の本格導入なども求めた。

 改正品確法については埼玉建協が運用指針の徹底を要望。歩切り根絶など環境改善が進んでいるとした上で、地方公共団体への浸透が不十分とした。発注や施工時期の平準化を、運用指針の「必ず実施すべき事項」に位置付けることも訴えた。

 この他、公共事業予算の安定的・持続的な確保と安定した財源確保(新潟建協)、地元建設事業者の受注機会拡大(千葉建協)、建設業の担い手確保・育成の推進と戦略的広報(茨城建協)を要望した。

 会議ではまた、▽2016年度第2次補正予算の公共事業費の配分・執行による、地域間や企業間の格差縮小▽地域建設業を対象とする公共事業予算の重点的配分による工事量の確保▽担い手3法運用指針の全発注者への指導徹底▽省力化・効率化による建設生産システムの改善を推進するなど、建設業が持続的に健全な発展を遂げるために必要な枠組みを早期に確立▽地域の建設業による担い手の確保・育成への支援―の5項目を関係機関に強く要望することを決議した。

(地方建設専門紙の会)