国土交通省は、実質的に施工に携わらない企業を施工体制から排除し、不要な重層化を回避するため、一括下請負の判断基準を明確化した。10月14日、土地・建設産業局長名の通知を建設業団体と都道府県・政令市、中央省庁などに送付。通知では、元請けが現場で「果たすべき役割」を、施工計画の作成、工程管理、品質管理、技術的指導などの項目ごとに明記。役割を果たしていない元請け・下請けを実質的に施工に関与せず、一括下請負であると判断する。
横浜市の分譲マンションで発生した基礎杭工事問題で、基礎杭の販売代理店だった企業は、実質的に施工に関与していないにも関わらず、1次下請けとして施工体制に加わっていた。
建設業法では、公共工事や共同住宅の新築で一括下請負を禁止しており、これまであいまいだった一括下請負の判断基準を明確にすることで、実質的に施工に携わらないこうした企業を施工体制から排除する。
判断基準では▽施工計画の作成▽工程管理▽品質管理▽安全管理▽技術的指導▽その他―の各項目で、元請けと下請けが現場で果たすべき役割(事項)をそれぞれ整理した。
元請けに対しては、請け負った建設工事全体の進捗確認、下請け間の調整、発注者との協議・調整など、13の事項全てを行うことを求めた。
下請けに対しては、現場作業に関する実地の技術指導、元請けとの調整、下位の下請けからの協議事項への判断・対応など、14事項の果たすべき役割を明記。これらの役割を1項目も担わない下請けは、施工に実質的に関与していないと判断する。
提供/建通新聞社