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2016/10/12

建設産業政策会議が初会合

 国土交通省は10月11日、建設業関連制度の枠組みを再検討する「建設産業政策会議」(座長・石原邦夫東京海上日動火災保険相談役)の初会合を開いた。10年後の建設産業が、生産性を高めながら現場力を維持できるよう、経営事項審査制度や技術者制度などの見直しを議論する。建設業法の改正も見据えている。国交省は初会合で、今後の論点として、生産性向上や労働環境改善に関する企業評価、後継者難・規模縮小が懸念される地方建設業が活躍できる環境整備、CMなど請負工事以外の事業に対応した契約制度・許可制度の在り方などを例示した。
 建設産業政策会議では、人口減少・高齢化による将来の担い手不足、ICT技術の進展による現場の変化など、10年先を見越した建設産業の在り方を展望し、建設業関連制度の基本的な枠組みを再検討する。政府全体で働き方改革や生産性革命などの議論が始まったことも踏まえ、2017年6月に提言をまとめる。
 国交省は11日の初会合で、後継者難や規模縮小で地方建設企業が『地域の守り手』として活躍するための環境整備が必要だとの論点を例示。委員からは「今の経審は、技術者数を評価するため、受注が伸び悩む地域でも企業のスリム化が難しい」「統合する側の企業にインセンティブがあってもいいのではないか」といった意見が出た。
 他産業と比べ、賃金水準が低く、労働時間が長い建設産業の働き方改革も論点になる。労使で時間外労働の上限を決めることができる「三六協定」の適用除外である建設業は、時間外労働が短い反面、時間内労働が長い特徴がある。土日休暇も進んでおらず、約65%の就業者が4週4休で働いている現状がある。
 このことが若年入職を阻害する要因になっており、初会合でも「他産業より労働時間が長い上に賃金が低い。日給月給が多い技能者の賃金を下げずに休日をどう拡大するのか」といった課題が指摘された。外国人労働者を「国内に入れるのか、入れないのか、本気で議論しなくてはいけないのではないか」という声も上がった。
 建設業法についても「民民関係にいかに関与できるかが新しい任務。担い手の待遇改善について、最終的に労働法制に落とし込めるよう、国交省として原案をつくるべきではないか」との意見も出た。
提供/建通新聞社