国土交通省は、建設産業の将来展望や建設業関連制度の枠組みを有識者や建設業団体を交えて話し合う「建設産業政策会議」を立ち上げる。10月11日に初会合を開く。労働力人口の減少や飛躍的なAI、IoTなどイノベーションの進展に対応するため、10年後の建設業の姿を視野に入れた産業政策を議論する。建設産業が生産性を高めつつ現場力を維持できるよう、技術者制度や経営事項審査などの建設業関連制度の見直しに加え、建設業法改正も見据えて議論を展開する。
会議は、中央建設業審議会の会長を務める東京海上日動火災保険の石原邦夫相談役をはじめ、大森文彦東洋大学教授、小澤一雅東京大学教授ら有識者に、建設業団体の代表者を加えた24人の委員で構成する。1〜2カ月に1回のペースで会合を開き、2017年6月に提言をまとめる。
国交省は、7月に開いた中建審総会で、社会情勢の変化を踏まえた建設産業政策を検討するため、有識者会議を新たに設置する方針を表明していた。11日に初会合を開く建設産業政策会議のテーマは、生産性向上と現場力の維持。労働力人口の減少とイノベーションの波を正面から受け止め、将来にわたり建設業が現場力を維持できるよう、建設業関連制度の基本的な枠組みを再検討する。
国交省は1995年4月に策定した『建設産業政策大綱1995』以降、5〜10年に1度の節目で、社会情勢に応じた政策の方向性を示している。この中には、2007年6月の『建設産業政策2007』で示された経審改正、『建設産業の再生と発展のための方策2011』の社会保険未加入企業の排除、『建設産業の再生と発展のための方策2012』の業種区分見直しなど、その後の建設産業に大きな影響を与えた政策も多い。
国交省は、11日の初会合でこれまでの建設業法改正の経緯なども説明する予定。6月の提言に向け会議では、経審や技術者制度などの建設業関連制度にとどまらず、法改正の可能性も排除せずに議論が展開される見通しだ。
提供/建通新聞社