国土交通省は、インフラの老朽化対策の重要性を国民に訴える「インフラメンテナンス国民会議」を11月中にも立ち上げる。国・地方自治体、民間企業など約160社・団体が参画し、メンテナンス産業の活性化、メンテナンスの理念の普及、市民参画の推進などを狙う。自社だけでは解決できない開発途上の技術に『オープン・イノベーション』の場を提供するとともに、技術開発者の資金調達を支援することも検討する。
高度成長期に整備されたインフラの老朽化が深刻化する中で、IT関連企業がメンテナンス専業の子会社を設立するなど、異業種の企業もこの分野に本格的に参入を始めている。国民会議は、インフラを利用する国民にメンテナンスの重要性を訴えることにとどまらず、異業種連携によるメンテナンス技術の生産性向上も目指す。
現在、国民会議には、中小・大手建設業、IT企業、素材メーカー、損保、投資会社などの民間企業に加え、インフラを管理する都道府県・市区町村など50団体が参加の意思を示している。
国民会議では、参加する多業種の民間企業にオープン・イノベーションの場を提供し、施設管理者側のニーズを踏まえた技術のマッチングを行い、技術開発を加速化する。企業単位で開かれている勉強会や交流会を国民会議として認定する「公認フォーラム制度」を創設することも検討する。
技術の性能を競うコンペや新たなアイデアを求めるコンテストを実施することも視野に入れる。国交省の新技術活用システム(NETIS)を活用して、現場導入のスピードアップを図る。
また、優れた現場の工夫や新技術を表彰する「インフラメンテナンス大賞」も創設。関係する国交省、総務省、文部科学省、厚生労働省、防衛省などが大臣賞を設ける。2016年度中に対象技術を募集し、17年度に表彰式を開く予定でいる。
提供/建通新聞社