建設経済研究所と経済調査会のまとめで、2017年度の建設投資(名目値)が前年度比4・3%減の49兆3000億円となることが分かった。民間住宅・非住宅投資は横ばいで推移するものの、政府建設投資が9・3%減の19兆4300億円となることが影響。ただ、今回の推計には16年度第2次補正予算案を反映していないため、上積みの余地を残している。また、16年度の建設投資見通しは4月の発表時点から上方修正し、51兆5300億円で前年度比1・1%の増加。こちらも補正予算を反映すれば、上方修正される見通しだ。
17年度の政府建設投資は、国の17年度当初予算における直轄・補助事業費と地方単独事業費を前年度並みと仮定した上で、東日本大震災復興特別会計に盛り込まれた建設投資は「復興・創生期間」における事業規模を踏まえ、19兆3400億円と推計した。
ただ、16年度第2次補正予算案は今秋の臨時国会で成立し、16年度中に執行が始まるが、17年度に出来高として反映されるものも多くなる。補正予算に盛り込まれた政府全体の公共事業関係費は1兆5319億円で、自治体負担も含めた事業費は2兆2000億円程度になると見込まれている。このため、今回の投資額の推計も10月中に発表する次回の建設投資見通しで上方修正されることが確実。
一方、17年度の民間住宅投資は1・4%減の14兆8400億円、着工戸数が1・8%減の92万1200戸になると予測。持家は1・2%増の29万4300戸と安定的に推移するが、相続税の節税対策で高い水準を保っていた貸家が3・4%減の38万6500戸と息切れ。分譲住宅も契約率の低下が見られる上、建築費の高止まりも続くとして2・9%減の23万4400戸と予測した。
民間非住宅投資は0・1%減の15兆0300億円と横ばいで、建築投資が0・6%減の9兆7600億円、土木投資が0・8%増の5兆2700億円となる。事務所は都市部で大型物件の多くが着工を控え、今後も堅調に推移。店舗は長く続いた停滞に一定の歯止めが掛かる兆候が見られ、やや回復するとみている。
提供/建通新聞社