国土交通省は、2017年度の税制改正要望をまとめた。空き家などの低未利用地の流動化と有効活用を目的に、空き家・空き店舗の敷地を取得する際の登録免許税・不動産取得税の税率を軽減。また、不動産特定共同事業法の改正で「小規模不動産特定共同事業(仮称)」を創設することに伴い、小口投資によって取得された不動産に対する登録免許税と不動産取得税の軽減措置も求める。
人口減少が進む中で、地域資源として活用すべき低未利用地について、従前の所有者に代わり、土地に新たな価値を見いだす事業者の土地需要を喚起し、流動化を促進させる。市街化区域内などに限り、未利用になってから1〜3年の空き家・空き店舗の敷地を取得する場合、登録免許税と不動産取得税の税率を現行の2分の1に免除する特例措置を設ける。
不動産特定共同事業法は、国土交通大臣や都道府県知事の許可を受けた不動産特定共同事業者(デベロッパーなど)が投資家から出資を受けて実物不動産を取引し、収益を投資家間で分配する仕組み。国交省は、次期通常国会に改正不動産特定共同事業法案を提出し、小口投資によるクラウドファンディングをこの事業に活用できるようにする。
小規模不動産特定共同事業として創設し、地方で増加する空き家の再生などにこの資金を投じてもらうのが狙いだ。税制改正では、この事業を通じて事業者が取得する不動産について、登録免許税と不動産取得税の税率を軽減する。
このほか、既存住宅リフォームに対する税制の特例措置を拡充。長期優良住宅の認定を受けて耐震・省エネ改修を行う際の所得税の税額を控除するほか、固定資産税の税額も減額する。
提供/建通新聞社