国土交通省は、維持管理分野で活用する社会インフラ用ロボットの試行導入を1年前倒しで行う。昨年度まで行った現場検証で一定の性能を認められた技術のうち、トンネルなどの点検用ロボットは、17年度から試行導入する予定だった。16年度第2次補正予算案に6800万円を計上したことで、試行導入を16年度に1年前倒しする。17年度までの2カ年を掛け、実際の点検の現場と同等の環境で性能を検証する。
社会インフラ用ロボットは、維持管理分野(橋梁、トンネル、水中)、災害対応(災害調査、災害応急復旧)の5分野を対象に、14〜15年度の2カ年で現場検証を実施。インフラの点検に使用する維持管理分野のうち、水中点検用の6技術は、16年度から試行導入を始めている。
トンネルについては、17年度からの試行導入を予定していたが、補正予算案に経費を計上することで、試行を1年前倒しする。試行導入では、これまでの開発者が直轄の現場で行った現場検証と異なり、通行止めなどを行わない実際の点検現場に近い環境で、建設コンサルタントなどに委託してロボットの性能を検証する見込みだ。
一方、現場検証を終え、すでに活用が始まっている災害分野のロボットについては、災害時の応急復旧に当たる建設コンサルタント、建設企業、地方整備局、地方自治体などが、ロボットの所在・調達・技術情報を把握できる一元化システムを構築する。
ロボット製造者やロボット保有者(販売代理店、リース・レンタル事業者など)が製品情報をシステムに登録し、災害時にロボットを迅速に活用できる環境を整える。開発者と国交省・自治体との意見交換を平常時から行い、災害ニーズにあった技術開発に加え、開発者・ロボット保有者と地整・自治体が災害協定を結ぶことを促す。
提供/建通新聞社