国土交通省は8月19日、公共工事設計労務単価を算定する際の基礎資料とする公共事業労務費調査の建設業団体向け説明会を開いた。無作為で抽出した施工中の公共工事1万3000件に従事する技能労働者16万人の賃金を調査し、2017年1〜3月に改定する労務単価に反映させる。国交省は例年3割強の標本が棄却されているとして、提出書類の不備がないよう、各団体に会員への周知を求めた。
労務費調査は、国交省、農林水産省、独立行政法人、都道府県、政令市などが発注する1000万円以上の工事から調査対象を無作為で抽出。対象工事に従事する技能労働者の10月分の賃金について、予定価格の積算に使用する51職種に分類し、調査票に記入するよう求める。標本数の少ない38職種については、9月分の賃金も対象となる。
調査は、一部の職種を除き、技能・免許などを持つ「相当程度の技能」がある技能労働者を対象とするため、見習い・手元などは対象外とする。
例年、提出書類の不備などで棄却される標本は3割を超えており、昨年度も32%の標本が棄却された。都道府県別に見ると、棄却される標本の割合が5割を超えるところもある。国交省は説明会で、所定労働時間が法定の週40時間であることが確認できなかったり、調査票の根拠となる資料(就業規則、賃金台帳など)がなかったりすることが、棄却の主な理由になっているとして、適切に提出書類を準備するよう、出席者に呼び掛けた。
提供/建通新聞社