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中央ニュース

2016/08/05

連載「測る、描く、守る」 第4回・生活の必要情報、地図で表現

 みなさんは、普段どのくらい地図を見たり、使ったりしているでしょうか?地図帳、観光地図、カーナビの地図など私たちの周りには、いろいろな種類のたくさんの地図があふれ、誰もが無意識に多くの地図を見たり、使ったりしています。

 地図は、私たちが生活をする上で必要な情報(地理空間情報)を線や記号、文字を使って、紙やスマホの画面などの上に表現しています。航空写真からでは読み取れない市町村の境界、地名、建物の役割や名前なども記号や文字で表しています。地図を見るといろいろなことが分かります。随筆家、俳人としても知られた物理学者、寺田寅彦も『「地図の言葉」に習熟した人にとっては、一枚の図葉は、実にありとあらゆる有用な知識の宝庫であり、もっとも忠実な助言者であり相談相手である。』(青空文庫:「地図をながめて」)と言っています。

 国土地理院では、航空写真や設計図などのさまざまな情報を経年的に収集し、その精度や品質を確認して日本全国が同じ仕様で同じ品質の地図である基本図を作製し、紙地図、デジタルデータ、Web地図など多様な形態で提供しています。

 地図「500万分1日本とその周辺」は、遠く離れた日本の島々も含めて、国土全体が1枚の地図で表されているので、日本の最東端の南鳥島や最西端の与那国島など日本の国土の広がりを一目で見わたすことができます。「デジタル標高地形図」は、高さを色で表現することで、自分の知りたい場所の地形(高さ)の状況も一目で知ることができます。

 デジタル地図の「基盤地図情報」は、道路、河川、建物などの地図の基礎的な項目をインターネットから無償でダウンロードし、自分の好きな情報を重ねて使用することができます。Web地図「地理院地図」は、スマートフォンから自分の関心のある場所を検索し、拡大したりしてその地域の広がりや高さなどの詳細な情報をシームレス(継ぎ目なし)に見ることができます。

「地理院地図」と「デジタル標高地形図」

 これらの地図は、昔の地図も含めて、国土地理院(つくば市)にある「地図と測量の科学館」に展示してあり、建設業に携わる読者の皆さまにも役立つ地理空間情報に触れることができるようになっています。ぜひ、一度、訪れてみてください。(国土地理院)

提供:建通新聞社