国土交通省は、関係府省や民間企業と連携した「インフラメンテナンス国民会議(仮称)」を今秋に立ち上げる。現時点で、民間企業約120社が参加の意向を示しており、新技術の掘り起しやインフラの劣化状況の見える化などを通じ、異業種連携によるメンテナンス技術の革新を狙う。2017年度には、現場の工夫や優れた新技術に対する大臣表彰を6省で創設。各省の大臣表彰の中でも、特に優れた取り組みに対する「内閣総理大臣賞」を創設することも視野に入れている。
宮内秀樹国土交通大臣政務官の呼び掛けで始まった関係省庁の政務官会議が▽国民会議の創設▽インフラメンテナンス大賞(仮称)の創設▽ハコモノのデータベースの活用―の3点を柱に、インフラメンテナンスを加速させるよう、菅義偉官房長官に提言した。
国民会議は、メンテナンスの必要性・重要性について国民の理解を深めるとともに、施工を手掛ける建設業だけにとらわれない異業種からの新規参入を促すために創設する。国交省の呼び掛けに、建設業、IT企業、素材メーカー、損保、投資会社など現時点で約120社が参加の意向を示しているという。国民会議では、海外市場への展開、技術コンペ、インフラの劣化度の見える化などを通じ、各企業のビジネスの最大化を狙う。
メンテナンスにおける優れた取り組みを表彰するインフラメンテナンス大賞は、国交省、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、防衛省の6省で、大臣表彰として創設する。年内に募集・審査を行い、17年度に表彰式を開く予定だ。政務官会議の提言では、各大臣賞に加え「内閣総理大臣賞」の創設も求めた。
政務官会議ではこのほか、市町村が管理する建築物の「長寿命化計画」を策定する際、計画策定のコスト削減、ノウハウの補完などを図るため、共通のデータベースを活用するよう求めた。国交省が都道府県・政令市と共同開発した「BIMMS(ビームス)」の活用を市町村に働き掛け、早期の計画策定を後押しする。
提供/建通新聞社