国土交通省は、2017年度概算要求の基本方針を固めた。政府が2日に閣議了解した概算要求基準(シーリング)に沿って、「被災地の復旧・復興」「国民の安全・安心の確保」「生産性向上による成長力の強化」「地域の活性化と豊かな暮らしの実現」の4本柱で8月末までに概算要求をまとめる。ストック効果の高い公共投資で経済成長を図るため、公共事業予算の安定的・持続的な確保を目指す。
8月2日に閣議了解された概算要求基準は、各省庁に公共事業費などの裁量的経費を一律10%削減して要求するよう求める一方、例年と同様に優先課題推進枠の中で、要望基礎額の30%まで予算要求することを認める。 国土交通省の公共事業費は16年度当初予算まで4年連続で前年度額を上回っており、17年度の予算編成でも必要な公共事業費の持続的・安定的な確保を狙う。
国民の安全・安心を確保するため、激甚化する水害・土砂災害、切迫する巨大地震に備えた防災・減災対策、インフラの老朽化対策などを推進。ストック効果を重視し、民間投資を誘発する社会資本を整備するほか、建設現場の生産性を向上させるi−Constructionも推進する。
既存施設の集約・再編、地域の公共交通ネットワークの再構築など「コンパクト+ネットワーク」の形成にも力を入れる。
17年度当初予算は、今秋にも成立する16年度第2次補正予算と一体で執行することも見込まれるため、公共事業の円滑な施工の確保と施工時期の平準化にも取り組む。
提供/建通新聞社