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中央ニュース

2016/08/01

建設業関連制度 枠組みを再検討

 国土交通省は、7月29日に開いた中央建設業審議会総会で、建設産業の発展性・収益性・持続性の確保や、受発注者間の信頼構築を図るため、今後の産業政策を議論する「新たな検討の場」を立ち上げることを明らかにした。「請負以外の分野への展開」「企業としての生産性向上」「後継者難への対応」「災害時に活躍する建設会社の評価」「CM(コンストラクション・マネジメント)の導入促進」などを検討課題とし、建設業許可制度、請負契約、経営事項審査、技術者制度、入札契約制度など、建設業関連制度の枠組みを再検討する方針を示した。
 6月に中建審・社会資本整備審議会の基本問題小委員会がまとめた中間報告で、引き続き検討するとされた工場製品の品質管理、技術者の適正配置などに加え、人口減少・高齢化に対応しつつ、建設産業が「現場力」を発揮できるよう、新たな検討課題について、解決策を探る。
 29日の総会で示された検討課題のカテゴリーは▽発展分野への展開▽経営力と生産性の向上▽人材の確保▽地方における役割の維持▽建設工事の信頼性の確保▽発注の改善―の6点。
 発展分野への展開では、人口減少・高齢化で国内市場の縮小が想定される中、海外建設市場や請負以外の分野(新分野やCMなど)に、建設産業が進出する際の課題を検証する。他産業と比較して営業利益率が低い中で、建設現場にとどまらず、企業経営の面で生産性を向上させる方策も探る。
 建設産業の持続性を確保するため、人材の確保と地方における役割の維持についても検討する。労働力人口が減少することを踏まえ、技術者専任要件の見直しも検討課題の一つ。技能労働者を抱える専門工事業者の評価制度についても議論する。
 後継者難や規模縮小が懸念される地方の建設企業の役割を維持するため、事業承継・譲渡に向けた環境を整備するほか、災害時に活躍する企業の経審・総合評価方式における評価の在り方も検討する。
 また、基礎杭工事問題に続き、空港施設の地盤改良で施工不良などが発生したことを踏まえ、施工不良などを未然に防ぎ、建設工事の信頼性を確保するため、建設生産システム全体での品質確保を検討する。発注者の技術職員不足が見込まれる中、CMの導入促進に加え、簡素で効率的な発注方式、施工時期・発注時期の平準化も検討課題に挙げている。

提供:建通新聞社