文部科学省が行った公立学校施設の耐震改修状況調査によると、2016年4月1日現在、小中学校の耐震化率は98.1%に達している。前年度調査に比べて2.5ポイントの上昇で、学校施設者の8割超が耐震化を完了したことになる。耐震性がない建物は、全国で2,228棟が残っている状況だ。
小中学校で耐震性のない建物のうち、397棟は震度6強以上の地震に対して倒壊、または崩壊する危険性が高いとされているIs値0.3未満のもの。0.3以上の建物は1,270棟だった。また、耐震第2次診断は561棟で実施されていない。
耐震性がない建物(残棟数)が多い設置者は、▽福山市(97棟)▽岡山市(87棟)▽富山市(69棟)▽那覇市(67棟)▽福島市(61棟)▽広島市(40棟)▽西条市(39棟)▽旭川市(36棟)▽下関市(34棟)▽金沢市(33棟)―となっている。
小中学校以外の公立学校施設の耐震化率と残棟数は、幼稚園が91%(405棟)、高校が96.4%(1,054棟)、特別支援学校が99.1%(50棟)だった。
同省では非構造部材の耐震点検・対策の状況についても調査。つり天井のある屋内運動場で、落下対策を講じていないのは全体の5%に当たる1,654棟。前年度は4,849棟だったことから、大幅に改善したことになる。
屋内運動場のつり天井対策が未実施のままとなっている都道府県の中では、東京都(117棟)が最も残棟数が多く、次いで、千葉県(113棟)、愛知県(100棟)、山口県(89棟)、埼玉県(84棟)―などの順に多い。
つり天井以外の非構造部材については、94.4%(前年度比1.4ポイントアップ)の施設で耐震点検を終えている。対策実施率は71.1%(同6.6ポイントアップ)。
調査は、福島県楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村を除く全国の公立学校施設設置者に対して実施した。
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建通新聞社