政府は26日に開かれた自民党の会合で経済対策案を説明した。外国人観光客4,000万人時代に向けたインフラ整備を推進するとして、年内に「観光インフラ整備プログラム(仮称)」を策定し、クルーズ船を受け入れるための港湾整備や旅館・ホテル建設を促進する。また、緊急防災・減災事業債の対象事業を拡充し、災害対策拠点となる庁舎の防災機能強化も図る。経済対策は8月2日に閣議決定する。
2020年までに訪日外国人旅行客を4,000万人に拡大するため、年内に「観光インフラ整備プログラム」を策定すると明記。プログラムに従い▽大型クルーズ船受け入れのための港湾整備▽首都圏空港・地方空港の機能強化(空港駐機場の整備)▽鉄道駅・バスターミナルのバリアフリー化―などを進める。
地方創生については、地方自治体の先導的な取り組みを強力に支援。自治体が策定した地方版総合戦略に基づき、地域拠点となる施設整備を推進する。空き家を滞在型体験施設や交流展示施設に改修する支援措置も講じる。
熊本地震の復興に向けて、被災した自治体が単年度予算の枠にしばられずに弾力的に対応できる資金として、復興基金を創設する。熊本地震や東日本大震災を教訓に、緊急防災・減災事業債を庁舎の防災機能強化にも活用できるようにする。
対策の柱には「21世紀型のインフラ整備」を掲げ、財政投融資を活用したリニア中央新幹線や整備新幹線の計画前倒しも実施。大都市環状道路などの物流ネットワークの強化、渋滞対策、連続立体交差事業なども推進する。
経済対策案ではこのほか、憲政記念館跡地(千代田区)を移転候補地とする国立公文書館建設、ナショナルトレーニングセンターの拡充整備、保育所の整備、学校施設の環境整備などの事業が挙がっている。
提供:
建通新聞社