国土交通省は22日、全国約1万4000者の建設業許可業者に「下請取引等実態調査」の調査票を送った。今回の調査では、公共工事設計労務単価の引き上げが技能労働者の賃金に反映されているかを問う項目を追加したほか、元請けによる下請けへの社会保険加入の指導状況に関する設問も新たに設けた。8月10日までに回答を求め、調査結果を踏まえて建設業許可部局による指導や立入検査を行う。
調査は、下請取引の適正化を図るために毎年行っているもの。具体的には▽元請け・下請け、発注者・元請け間の取引実態▽消費税の転嫁に関する実態▽技能労働者への賃金支払い▽社会保険の加入状況―などを調査する。
調査対象は、無作為で抽出した大臣許可約1700業者、知事許可約1万2300業者。2013年7月1日から16年6月30日まで、3年間の元請け・下請け間の取引状況を回答してもらう。
労務単価は、全国全職種平均で前年度比4・9%を引き上げたことし2月の改定を技能労働者の賃金設定の際に参考としているか、公共工事・民間工事のそれぞれで回答を求める。また、労務単価を参考に賃金を設定している場合は、時間外・休日・深夜労働に対する割増賃金など、労務単価に含まれない費用を手当てとして支払っているかも回答してもらう。
加入目標の期限が17年度に迫っていることを踏まえ、社会保険加入に関する二つの設問も追加した。同省は元請けによる加入指導を強化する方針を打ち出しており、元請けが各現場の下請けに企業単位・労働者単位の加入指導を行っているか聞く。さらに、法定福利費を内訳明示した見積書(標準見積書)を提出した際の元請けの対応についても回答を求める。
提供/建通新聞社