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2016/07/21

有識者会議が論点 文教施設コンセッション 

 文部科学省の有識者会議(主査・山内弘隆一橋大学大学院商学研究科教授)は、文教施設への「公共施設等運営権制度(コンセッション方式)」導入に向けた論点整理を行った。制度活用の成果を高めるために民間事業者へのインセンティブが重要とした他、複数施設を一括して事業化する「バンドリング」などの事業手法を例示した内容となっている。
 論点整理は、有識者会議が来春までに作成する報告書の骨子案として位置付けられるもの。コンセッション方式の特徴や、成果を高めるための手法、導入可能性が高い施設例、国による推進方策などを盛り込んだ。
 民間事業者へのインセンティブについては、仕様発注ではなく性能発注とするなど、創意工夫を引き出す仕組みづくりの重要性を指摘。また、「利用者数の増加」に加え、にぎわいの創出や地域活性化などを制度の目的に設定し、それに見合ったリスク・リターンの明確化も必要だとしている。
 単独施設での事業化が難しい場合には、複合的な運営が有効とし、その一つとして「バンドリング」を挙げた。周辺の他施設も包含することで、集客力の拡大や事業性の成功性を高めるためだ。
 導入可能性が高い施設例としては、▽新規整備や大規模改修▽都市部で利便性の高い場所に立地▽スタジアム・アリーナ―などを挙げている。周辺施設との連携を見込めること、スポーツ以外の用途で活用できることなどを理由として挙げている。
 国のよる推進方策で必要としたのは、地方公共団体への情報発信や、ガイドブック作成などを通じた技術的な支援。さらに、文科省に対して内閣府や総務省との連携を求めた。
 有識者会議では、2017年3月に検討報告書をまとめることにしている。
提供/建通新聞社