国土交通省は、熊本地震の復旧工事に直轄工事で2例目となる技術提案・交渉方式を採用する。
設計に対する技術協力業務を行いつつ価格を交渉し、交渉が成立すれば施工の契約を結ぶ「技術協力・施工タイプ(ECI)」。設計と並行して施工者を選定することで、着工を半年以上前倒しできることから、早期復旧につながると判断した。
技術提案・交渉方式を採用したのは、九州地方整備局が7月13日に公告した「熊本57号災害復旧二重峠トンネル工事」の阿蘇工区と大津工区。3類型ある同方式のうち、今回は「技術協力・施工タイプ(ECI)」を採用。ECIは直轄工事で初の採用となる。
さらに、一括審査方式を取り入れ、2工区の技術提案を一括で審査することで、受発注者の負担も軽減する。
詳細設計を6月30日にエイト日本技術開発(東京都)に委託しており、受注者はまず技術協力業務の契約を結んで設計作業を支援。設計に技術提案の内容を反映させながら施工の価格交渉を行う。工事の積算や設計照査の期間を短縮できるため、着工を半年以上前倒しすることが可能だという。
品確法の多様な入札契約方式に位置付けられている技術提案・交渉方式は「発注者が最適な仕様を設定できない工事」や「仕様の前提となる条件の確定が困難な工事」に適用する。直轄工事では、4月に近畿地整が発注した「国道2号淀川大橋床版取替他工事」で初めて採用した。
提供/建通新聞社