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中央ニュース

2016/07/13

老朽化対策実施を 熊本踏まえた学校整備

 文部科学省の有識者会議「熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備に関する検討会(座長・長澤悟東洋大学名誉教授)」は、今後の推進方策などを盛った緊急提言(素案)をまとめた。地震発生時の被害を最小限に抑えるため、経年劣化が進む学校施設の老朽化対策を強力に実施すべきとしている。また、国公立学校に比べて私立学校の耐震化が大幅に遅れていることを指摘した上で、集中的な財政支援を国に求めた。
 素案では構造体の耐震化と吊り天井の落下防止に向けて、学校設置者に対策の早期完了を求めている。文科省など国による技術的・財政的な支援も必要とした。耐震化の遅れが目立つ私立学校に対しては、集中的な財政支援とともに、学校設置者や都道府県と連携した対応を求めた。
 非構造部材については、専門家による点検と耐震対策の必要性を強調。特に、古い構法で設置されている非構造部材や、経年劣化が進行している学校施設は計画的な対策を行うべきとした。対策実施に当たっては、災害時に避難所となることを想定し、断熱性の確保など基本的な建物性能を高めることが有効としている。
 点検に際しては、鉄骨造体育館のブレース付き柱脚部、鉄筋コンクリート造体育館の柱梁と鉄骨屋根の接合部、体育館屋根面の屋根ブレースや立体トラスなど、被害が生じやすい箇所も合わせて行うよう求めた。文科省はこれらの点検・対策を学校設置者に要請し、実施状況の実態把握に努めることとした。
 素案ではこの他、防災機能を強化するための連携の在り方について言及。文科省と内閣府、国土交通省など関係府省の連携を深化させ、防災、下水道、情報通信などを含めた多様な予算を確保し、積極的に財政支援を行うべきとした。

提供:建通新聞社