生産性向上に取り組む中堅・中小企業に税制上の特例措置を与える中小企業等経営強化法が7月1日に施行された。同法では中小企業が生産性を高める機械装置を購入した場合、固定資産税が3年間にわたって2分の1に軽減される。建設企業が購入する建機も減税の対象となるため、各地方整備局では1日から計画申請の受け付けを始めている。同法は、事業分野別に所管省庁が指針を策定するよう求めており、国土交通省は建設業向けの指針を今秋にもまとめ、生産性向上に取り組む中小建設企業の申請を促す考え。
中小企業等経営強化法は、労働力人口の減少によって人手不足にある各産業が効果的に付加価値を生み出せるよう、国が生産性向上を支援する、その根拠法となっている。国に「経営力向上計画」を提出し、認定された中小企業が生産性を高める機械装置を取得した場合、3年間の固定資産税の軽減措置を受けられる。固定資産税での設備投資減税は政府として初めて行うもので、赤字企業にとっても大きな減税効果が期待できる。合わせて、政策金融機関の低利融資や民間金融機関の信用保証・債務保証などの支援措置も用意している。
減税措置の支援対象は、中小企業(資本金1億円以下、大企業の子会社除く)が新規で取得した機械装置。建設業にとっては、固定資産税の掛からない自走式を除く建機が主な対象になる。購入する建機は、160万円以上のものとし、新規購入で労働生産性を1%以上向上させることを求める。
労働生産性については「(営業利益+人件費+減価償却費)÷労働投入量」を指標に採用。ただ、国交省は、今秋にもまとめる建設業向けの指針で、この労働生産性に加え、付加価値労働生産性を生産性の指標とすることも検討している。外注費や労務費を付加価値と捉える「(工事粗利益+労務費+外注費)÷労働投入量」といった指標を示すことで、人件費の増加をプラス評価とすることができる指標としたい考えだ。
提供/建通新聞社