国土交通省は、公共建築工事で適切な予定価格を設定し、円滑な施工確保を求める通知を全国の地方自治体の契約担当部署などに送った。公共建築工事の発注者が適切に工期を設定するための参考事例やポイントをまとめた「公共建築工事における工期設定の基本的な考え方(事例解説)」の活用や、積算数量に誤りがあった場合に変更協議を義務付ける「入札時積算数量書活用方式」の導入を促す内容。
土地・建設産業局建設業課長名の通知を全国の自治体の契約担当部署や建設業団体、建築設計団体に送った。工期算定や積算の参考にし、品確法で発注者の責務とされた適正な予定価格の設定につなげてもらう。
「公共建築工事における工期設定の基本的な考え方(事例解説)」は、6月2日に開かれた全国営繕主管課長会議の総会でまとまったもの。調査・設計から施工までの各段階で、工期の遅れにつながる不適切な事例を挙げ、不適切な事例を未然に防ぐポイントなどを示している。
一方、国交省直轄の営繕工事で4月から試行している「入札時積算数量書活用方式」は、これまで入札参加予定者に「参考資料」として公開していた数量書の位置付けを明確にし、契約後に受注者が積算数量の誤りを見つけた場合、受発注者で協議して数量を訂正できるようにした。数量訂正に伴う請負代金額の変更を「契約事項」と規定している。
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建通新聞社